「廃業」「清算」を検討する際の留意点

 Q:知人の会社が後継者がいなく、業績が芳しくないそうです。余力があるうちに廃業を考えているのですが、果たしてそれが最善策なのでしょうか?

A:一見、ソフトライディングな印象がある廃業、清算ですが、実は様々なデメリットがあるのをご存知ですか?

会社を清算する場合、資産を現金化します。すると、次のようなシミュレーションが考えられるでしょう。

まず、在庫(商品)は現金問屋に買いたたかれてしまい、現金化すると20%程度になってしまいます。設備も同様にスクラップ価格で売られてしまうのです。

建物は更地にするため取り壊すことになり、現金化するとゼロ。その上撤去費用が上乗せされます。土地に関しては売り急ぐ必要があるため現金化すると30%程度のダウンは免れないでしょう。

さらに避けて通れないのは従業員への退職金です。会社都合で退職してもらうので、退職金を割り増しして払わなくてはいけません。

以上から、廃業、清算しても資産が何も残らない可能性が大きいのです。

廃業、清算のデメリットが大きいのなら、どうすればいいのでしょう?

「会社を畳もう」と考えたとき、まずは第三者への友好的なM&Aを選択肢に入れてみましょう。交渉しだいによっては条件良い価格で売却でき、在庫や設備もそのまま残る可能性があります。

M&Aでもうひとつ見逃せないのは、従業員の雇用です。条件によっては、M&A先で一部または全員の従業員を引き取ってくれて、雇用が確保されるかもしれません。

事業再生に関しては、早い段階から検討しておけば、多くの選択肢が残されます。一方、何の手も打たないでいると、選択肢が狭まってしまいます。