節税保険が販売休止

 保険会社はこれまでにも、がん保険などさまざまな法人向け保険商品を展開してきました。しかし、そのたびに国税庁の通達によって、規制がかかっているのです。
その背景には、本来の保険の目的を逸脱し、法人税の節税に特化していると判断されているところが大きいと考えられます。


そもそも経営者向けの生命保険の目的は、経営者に万が一のことがあったときにも会社が存続できるように、会社の事業を資金面でサポートするという意味合いが大きいものです。
特に中小企業は経営者の存在価値が大きく、経営者に万が一のことが起きた場合、会社の評価そのものが下がりかねません。そうなると、経営者の死亡や交代によって付き合いのある金融機関から追加融資を断られたり、取引先が撤退したりするなどの可能性も出てきます。そのため、経営者向けの生命保険はとても重要になってきます。


しかし、これまで保険会社が販売してきた法人向けの商品のなかで、経営者から人気の高かったものの多くは、毎月の保険料が全額損金計上できるうえ、10年で解約しても返戻率が80%を超えているというものでした。要するに、毎年の法人税を節税できるうえ、払い込んだ保険料も8割以上が返ってくる商品となっていました。
こうした商品は、本来の『万が一に備えた保険』という意味合い以上に『毎年の法人税節税』『資産構築』にフォーカスしたものとなっています。そのため、国税庁が法人向けの商品の規制に乗り出したというわけです。

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