会社設立にかかる経費の勘定科目 『開業費』と『創立費』とは

開業費と創立費の違いとこれらを計上するメリット

新たに法人を立ち上げるとき、多くの場合、開業準備のためのコストがかかります。たとえば、会社用の什器や市場調査費、広告宣伝費、定款の作成費用、設立登記の登録免許税などがあげられるでしょう。
これらの費用は、会社設立前に生じたものであっても『開業費』や『創立費』という勘定科目で経費計上をすることができます。開業費と創立費は、一般的に以下のように区別されます。

●創立費
会社を創立するためにかかった費用。たとえば、創立事務所の賃借料、設立登記の登録免許税、会社印の作成費用などです。

●開業費
会社を創立してから事業を開始するまでの開業準備費用。たとえば、チラシなどの広告宣伝費、備品や消耗品費など、開業にあたって“特別に”支出した費用を指します。“毎月決まって発生する”事務所家賃や水道光熱費などは含めず、それぞれに適した勘定科目で計上します。また、10万円以上の固定資産も開業費には含めず、各固定資産として計上します。
開業費と創立費の勘定科目を使う大きなメリットは、『繰延資産』として計上でき、中小企業の場合は任意のタイミングで償却できることです。創立後、ビジネスが安定して軌道に乗るまでに年単位の期間がかかることも少なくありません。利益が見込まれないうちは開業費や創立費を繰延資産として計上したままにしておき、大きく黒字が出始めたタイミングで費用計上すれば、節税効果が期待できます。

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