居住者と非居住者の源泉徴収と確定申告

所得税法では、居住者とは、日本国内に住所を有するか、または現在まで引き続き1年以上居所を有する個人で、非居住者とは、居住者以外の個人と規定している。(居住者の中でも、日本国籍を有さず、かつ過去10年以内に日本に住んでいた期間が5年以下の者は非永住者。)                       居住者か非居住者かの判定をするときの住所とは、その人の生活の本拠地(1ヵ所のみ)をいう。居所とは、継続して住んでいる場所をいう。その居所が1年以上継続していれば住所を有していることと同じと判断される。                                       例:海外駐在の場合(日本を離れた日の翌日から非居住者となる。)

①居住者と非居住者の課税範囲

【居住者】所得の種類や所得の生じた場所を問わず、すべての所得。(非永住者は、国内源泉所得と国外源泉所得のうち国内で支払われたまたは国外から送金されたもの。)                                                                            【非居住者】国内源泉所得のみ。

②非居住者の国内源泉所得のみの課税

居住者はすべての所得に課税されるが、非居住者が課税されるのは国内源泉所得のみ。日本国内にある不動産から生じた所得は、国内源泉所得として課税される。

③非居住者の国内源泉所得にかかる源泉徴収の義務

非居住者が所有する日本国内にある不動産から生じた賃貸料収入は、国内源泉所得に該当し、対価の支払いの際に源泉徴収の対象となる。(20.42%の源泉徴収)                           例:法人が日本国内にある不動産の賃借料を、その不動産所有者である非居住者に支払う場合。                                          例外:支払者が個人の場合で、その賃借物件が支払者自身または親族の居住の用に供している場合、支払者である個人は、源泉徴収不要。

④納税管理人の選定

非居住者である納税者やこれから非居住者になる場合などは、納税管理人を定めて税務署に届け出る義務がある。納税管理人は、申告書・申請書等の提出、納税、還付金の受領、税務署と納税者との連絡などを行う。税理士等の資格は必要なく、法人でも構わない。納税管理人の制度は、固定資産税や住民税等の地方税にもある。

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